
読み始めは11月11日。ほとんど週末しか読んでいなかったので1か月ちょっとかかった。
戊辰戦争当時の会津藩や周辺諸藩の人たちの苦難がよくわかり、福島県の歴史を学ぶ上ではとてもためになる本だと思う。しかし、やはり会津藩の立場から書かれた本なので、会津が正義であり、薩長をはじめとする新政府側は不当に権力を奪取した悪であると言いたげで、これを鵜呑みにすると思想が偏ってしまいそうな気がする。
今年の大河ドラマ「西郷どん」を見てわかるように、薩摩藩や長州藩の人たちもより良い日本を作りたいと考えて行動したわけで、思想や立場の違いから対立して戦争に至ったとしても、どちらが善でどちらが悪であるとは誰も言えないのではないか。結果的に薩長側が勝ったというだけなのである。
いずれにしても、同じ日本人どうしが戦って殺し合ったという歴史は悲劇というしかない。もっと視野を広げれば、同じ人間どうしが世界各地で戦って命を落としている現在も、本質としては何も変わっていないことがわかる。人間のみならず、生物に闘争本能があるかぎり、戦争がなくなることはないのだろう。
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